ライトニングネットワークが中央集中型になる数学的証明がこれだ

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Jonald Fyookball氏は「ライトニングネットワークには期待されているほどの分散性はない。」とMediumに掲載された自身の記事で発表しました。この記事はライトニングネットワークが面する問題を数学を用いて指摘しています。複雑な数式を用いて証明を行っていますが、数学以外の面でも初心者にも分かるように問題点が説明されています。

 

記事によると、ビットコインをベースとしたライトニングネットワークの主要問題点として、使用している支払いチャンネルが中央集中化を誘発すると指摘しています。 Fyookball氏はこの問題を重要視する理由として、ライトニングネットワーク技術が支持者から支払いチャンネルを通してチェーンから外れて取引できるpeer-2-peer (ピアツーピア)の分散型システムだともてはやされていることを挙げています。

Fyookball氏は「ビットコインコミュニティーの多くの人はライトニングネットワーク(LN)に対して分散型のpeer-2-peerシステムになるという誤った見解を持つ、ないしはそう信じるように誘導されている。」と述べました。

 

初心者のためのライトニングネットワークの問題点解説

 

Fyookball氏によれば、ライトニングネットワークが分散型ネットワークとしての性質を保つのが困難な理由は数学的な問題にあります。システムを維持するには多くのユーザーが一定量のビットコインを保有し、それを分配することで回路チャンネルの開通状況を保つことが必要です。ユーザー数が足りないとチャンネルを通した取引を成立させるために中枢回路が発達してしまいます。この現象は分散型回路が中央集中型回路に変化するのに等しいです。(取引チャンネル:個人ユーザー同士をつなぐチャンネル、取引回線:取引チャンネルを複数繋ぎ合わせた回線 *引用元:https://medium.com/@jonaldfyookball/mathematical-proof-that-the-lightning-network-cannot-be-a-decentralized-bitcoin-scaling-solution-1b8147650800)

ライトニングネットワークが分散的に稼働するためには大量のチャンネルの飛び移りが必要であり(取引チャンネルを飛び移ることで取引回線を移動する *本文引用)、Fyookball氏の記事はこのチャンネルの飛び移りが起こるには各ユーザーが他のユーザーからお金を借りなければいけないことを暗示しています。問題はこの頻繁なチャンネルの飛び移りが不可能であるところにあります。彼の記事はこの問題について樹形図を使用して解説しています。

”枝分かれしているチャンネルをもつ広大なネットワーク上で目的の誰かに到達するには、大量のチャンネル数か頻繁なチャンネルの飛び移りが必要であるが、どちらも非常に困難である。大量のチャンネル数はユーザーが資産を分割しなければならず、ごく少量の取引以外は何もできなくなることを意味し、頻繁なチャンネルの飛び移りはユーザーの資金がほかの人の資金に縛り付けられてしまうことを意味する。”

(例えば、世界中のすべてのユーザーとつながるのに6チャンネルから成る10個の取引回線が必要だとして、そのうちの1つしか取引相手につながっていないとなると資産を10等分に分けて各回線上に保存しておく必要があるため、保有している金額の一部しか相手に送金出来ないことになる。また、チャンネルの飛び移りのシステムとしてユーザーAがBを介してCに1BTC送金するのに、Bのアカウントから1BTCをCに送金して、その後にAがBに1BTC支払うことからAがBから1BTC借用しているのと同じことになる。よって飛び移るチャンネル(同じ回線上のユーザー数)が増えるごとに個々の借用負担が重くなることになる。*引用元:https://medium.com/@jonaldfyookball/mathematical-proof-that-the-lightning-network-cannot-be-a-decentralized-bitcoin-scaling-solution-1b8147650800

 

ライトニングネットワークが失敗に終わる数学的証明

その後Fyookball氏の記事は技術的な問題点の解説に移り、数式を用いてライトニングネットワークが失敗に終わる理由を証明しました。この綿密な証明を簡潔にまとめると、分散型回路ができるのに必要な数のチャンネル数やチャンネル間の飛び交いが起こるのは現実的に不可能であるという結論に至ります。

 

例えば、Fyookball氏はSawtoothWaveという数式を用いてユーザーがいつ収入を受領してそれをいつ消費するかを測定しました。この様な方向性に向かったのは、システムの分散性を保つために必要なチャンネル数や飛び交い頻度が時間の経過と共に上がるかどうかを予想するのに、ユーザーが取引する資産総数を確実に測る方法がないからです。

 

筆者は更に違う変数と数式を用いてライトニングネットワークが本来あるべきである機能を果たせるのか検証しました。その結果、彼はビットコインが中央集中化するのを避けるにはオンチェーンでの取引が設立される必要があるとの見解を示しました。

 

”ビットコインは分散型でなければならないことを忘れてはいけない。「ベース層が分散型であれば中央集中型になっても問題はない」というような意見に気をつけるべきだ。このような狡猾な罠はユーザーをベース層から追い出し結果として中央集中型のシステムに追いやってしまうため、絶対に許してはいけない。”

 

この理論に対しての反論

しかし他の学者でFyookball氏の使用した数式やメソッドに異論を唱える者もいます。Murch氏はMediumに投稿した記事において、Fyookball氏が証明に使ったモデルは間違っていると指摘し、証明の過程で幾つかの過ちを犯していると発言しました。そのうちの一つとして、Fyookball氏の回線やチャンネル間の飛び移りの分析方法に問題があるとしています。

 

彼は、”ライトニングネットワークの参加者が回線を探すときに、当たり前ながら最短で支払いができる回路を求める。この性質は正しく樹形図に反映されている。だが、決定的な間違いとして回線上の結合点が相互接合されていることを見落としている。この性質が取引を可能にする一方で、何回も回線を使用しているユーザーが初回の使用で気づいた回線の省略可能なルートを次からも使用するため、回線の構築が取引サイクルに影響を及ぼすことはない。”としています。

 

Murch氏の反論は数式の正当性にも及んでおり、まとめるとライトニングネットワークが中央集中型になるという理論は必然的に間違っているということになります。この論争はとても興味深いですが、現時点でライトニングネットワークが中央集中型になるのかビットコインネットワークの分散型を維持するのか誰も定かではありません。

 

 

■引用元URL:Researcher: `Here’s Mathematical Proof the Lightning Network Will Be Centralized´

 

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